
わきがの原因と臭い対策
脇の下のわきがの臭いは自分で気付く場合と、周りの人に指摘されて認識する場合があります。
わきがの臭いは人によって表現方法が異なるのですが、古くなった洗濯ばさみの臭いにツンとした刺激臭が加わったような臭いで、多くの人はこの臭いに不快感を示します。
わきがの原因と臭い対策のおすすめ、手術を受けても再発してしまうのかどうかをまとめました。
わきがの原因は何?
わきがは腋臭症(えきしゅうしょう)とも呼ばれており、脇の下のアポクリン腺から分泌される汗が常在細菌により分解されることで強い臭いを発する症状のことです。
両親ともにわきがの場合、子どもに遺伝する確率は約80%、どちらかがわきがの場合は約50%~70%の確率で子どもに遺伝するというデータがあります。
わきがかどうかの見分け方
ご自身やご家族が、わきがかどうかを見分ける方法があります。
耳垢が湿っている
耳垢の状態をチェックしたときに、ベタベタとした茶色っぽいキャラメル状の耳垢の場合は、わきが体質である可能性が高いです。
耳の中と脇の下のアポクリン腺の数はほぼ同じであることから、耳垢がネットリと湿っている場合はわきが体質であるという判断ができます。
洋服の脇の下の部分が黄ばむ
わきが体質の方の脇の下のアポクリン汗腺から出る汗には、黄ばみの原因となる色素成分が含まれているため、白い洋服の脇の下部分や白い汗脇パットが黄ばむことが確認できます。
わきがの臭い対策のおすすめは?
わきがが気になる方は、こまめに脇汗を拭いたり制汗剤を使用するなど、既に何らかのわきがの臭い対策を講じていると思いますので、この章では、わきがの臭いの元となるアポクリン腺から出る脇汗を、ボトックス注射を打つことで抑えるボツリヌス療法の効果についてまとめました。
暑さや緊張やストレスを感じると、脳が汗を出すようにと信号を出すことで汗腺を刺激して汗が出るのですが、ボツリヌス療法を行うことで、この交感神経から伝達される汗を出す信号がブロックされて発汗が抑えられるという治療法です。
ボツリヌス療法は、ボツリヌス菌がつくる天然のタンパク質から作られたボトックスという薬を脇の下に注射するのですが、発汗抑制効果の持続期間は、約半年~1年程度なので繰り返し注射を受ける必要があります。
ボツリヌス療法を受けた方の口コミ
・手術しかないと思っていたが、受診したところ軽度のわきがであることが分かり、ボツリヌス療法を受けました。注射の翌日から脇の下の汗が少なくなり、臭いも気にならなくなりました。
・重度のわきがなので、効果はあまりないかもしれないと医師から説明をされてボツリヌス療法を受けましたが、以前よりは汗は出なくなり臭いもおさまって、薬用ボディソープと制汗クリームを併用することで、わきがである事を必要以上に気にしなくなりました。
ボツリヌス療法は、わきがの臭いの元となるアポクリン腺から出る脇汗を抑える治療法なので、中度~重度のわきがの方には、次の章でご紹介するアポクリン汗腺を取り除く手術やアポクリン汗腺を破壊する治療の方が効果が期待できるかもしれませんが、一度、ボツリヌス療法を試してみても良いかと思います。
わきがは手術をしても再発するの?
ボツリヌス療法を受けても効果の見られない場合のわきがの治療方法は、皮膚を切開してアポクリン汗腺を取り除く手術と、熱でアポクリン汗腺を破壊する治療法があります。
皮膚を切開する方法
反転剪除法
最も一般的に行われている、脇の下の皮膚を切開する治療方法は、反転剪除法(はんてんせんじょほう)と呼ばれる手術です。
脇の下のしわに沿って複数個所を切開して皮膚を裏返し、医師の目視によってアポクリン汗腺を取り除く方法で、ほとんどの医療機関で保険適用が認められている手術なので経済的な負担も少なく、手術後、脇の下を動かしたときに皮膚が突っ張るようなこともなく、傷跡も目立ちにくく、最も再発が少ない方法と言われています。
反転剪除法は難易度が高い手術のため、経験豊富な腕の良い医師を選ぶ必要があることと、手術後、一週間程度は仕事を休んで安静にする必要があることがデメリットになります。
皮下組織吸引法
皮下組織吸引法も、一般的に行われているわきがの手術で、腋の下に開けた小さな穴から細い管を挿入してアポクリン汗腺を吸引する方法です。
主に美容外科クリニックなどで行われている方法で、保険適用は認められないことがほとんどで、費用はクリニックによって異なりますが、15万円~25万円程度です。
皮下組織吸引法は日帰りで受けることができるので仕事を休む必要もなく、早ければ翌日からシャワーを浴びることも可能です。
反転剪除法と比べて体への負担が少なく、傷跡が残りにくく、色素沈着も起こりにくいというメリットがありますが、皮下組織吸引法を受けた方の30~40%は再発するとも言われており、再発の可能性が高いことがデメリットです。
皮膚を切開しない方法
わきがの手術を受けたいけど皮膚を切開する手術は怖いと考えている方には、反転剪除法や皮下組織吸引法に比べてリスクが少ないことで脚光を浴びている、ミラドライという皮膚を切開しないわきが治療法があります。
ミラドライは、肝臓がん治療や電子レンジで利用されている非常に安全性の高いマイクロウェーブという電磁波を皮膚の上から照射して、その熱でアポクリン汗腺を破壊する治療法です。
ミラドライは傷跡が残る心配もなく、体への負担も少なくてすみますが、費用はかなり高く45万円以上かかる美容外科クリニックがほとんどです。
さいごに
わきがでお悩みの方が意を決して臨んだ治療で、症状が再発してしまっては精神的なショックも大きいと思います。
治療方法の詳細やリスクについて、納得がいくまでしっかりと説明をしてくれる、信頼のできる医療機関や美容クリニックに手術や治療をお願いするようにしましょう。
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