プライベートで架かってきた営業電話なら簡単に断れますが、会社に架かってきた場合は断る権限がある人とない人がいます。
営業電話だからと言って失礼な断り方はNGですよね?
担当者に電話を取り次ぐ場合の注意点と、上司から「営業の電話はすべて断って良い」と指示されている場合の言い回しをご紹介します。
営業電話を担当者に取り次ぐ時の注意点
営業電話だと思ったら違った編
私は総合病院の電話交換室で取り次ぎ業務をしているので、
病院での会話の実例をご紹介します。
「この電話は営業っぽいな」と感じるのは、
電話を架けてきた相手が妙に愛想がいい場合と、
「事務部長さんはいらっしゃいますか?」など、
役職名だけで、きちんと名指し人の名前を言わない場合です。
「怪しいわ~」と感じたことをやんわりと名指し人にお伝えして、
会社名と名前を告げると「あ~〇〇さんね!どうぞ繋いで下さい!」
というパターンもあります。
このパターンで印象に残っているのは、
事務棟の4階に総務部の山田さん(仮名)がいるのですが、
『中央棟の3階にいらっしゃる経理部の山口さんをお願いします。』
という電話があり、(中央棟もないですが)実在しない人物なので、
「経理部に山口という者はおりませんが?」とお応えすると、
『ええ~?今、山口さんからお電話をいただいたのでご連絡したのですが?』
と仰るので、
「恐れ入りますが、御社名とお電話口の方のお名前をもう一度、教えていただけますか?」
と確認したところ、
〇〇羽毛布団の△△さんとのこと。病院の布団の業者は決まっています。
保留にして交換室の先輩に相談すると、
「思いっきり怪しいね~。でも、折り返しの電話と言われたら、
交換室で勝手な判断はできないから、念のため総務部の山田さんに確認してみて!」
と言われ、
総務部の山田さんに、
「〇〇羽毛布団の△△さん方からお電話なのですが、
『中央棟の3階にいらっしゃる経理部の山口さんをお願いします。』
と仰っています。お心当たりはありますか?」
とたずねると、
「あ~はいはい、私が出ます!全部間違ってますね(笑)」
と、電話に出てくださいました。
山田さんに確認する前に
「中央棟3階の経理部の山口でお間違いございませんか?」と
2度確認を繰り返しましたが、
(ここで『あ!間違えた!』と気付く人もいますが)
この営業マンは『そうですよ!』と自信満々でした。
(「この人、この先、大丈夫かなぁ?」と心配になります)
医師宛の営業(っぽい)電話も多いのですが、
診療中、処置中、手術中の場合が多く、その旨を、
「申し訳ございません。A(呼び捨て)は只今、外来診療中でございます」
とお伝えすると大抵の方は諦めて、後日、架け直してくれます。
中には苗字のみ名乗り、「A先生に繋いで!」という人もおり、
「恐れ入りますが、どちらの〇〇様でしょうか?」とうかがうと、
「繋げば分かる!」という横柄な方もいます。
医師が「診療中」と説明しても納得しない場合は、
看護師さんに代わっていただきます。
A先生はその方のことを知らなかったと、
後で教えていただきました。
何が目的なのか院内の別の医師の名を騙って、
強引に電話を取り次がせる輩もいるので、
本人かどうかを聞き分けるテクニックを教わっています。
「〇〇製薬の者ですがA先生から薬剤のことで問い合わせがありました。
明日の手術に使うそうなので取り次いでいただけないでしょうか?」
というように急ぎの場合は、
「A先生宛に〇〇製薬の△△さんから◆◆のご用件でお電話なのですが、
どうしたらよいでしょうか?」と、
上記と同様、看護師さんに電話を代わってもらいます。
看護師さんに「そうです。」と電話を戻され、「診療中なのはスケジュールを見れば誰でも分かることです。」
「看護師さんに電話に出てもらわなければダメじゃないですか!」と先輩に注意されました。営業の電話に限らず、名指し人が電話口に出れない状況であれば、
交換室では伝言を承れないので、
同じ部署の人や話が分かる人に伝言をしたいという流れになるのですが、用件を伝えても、責任が取れないと思うのか、
嫌がって代わってくださらない方もいらっしゃいます。交換室では電話を戻されても、どうすることもできませんし、
電話の相手も待たせてしまうし、
次の電話が取れず、周りにも迷惑がかかってしまいます。交換室でなくても、どうすることもできない電話を
いつまでも持たされているのは困りますよね?電話の取り次ぎ先の方が名指し人本人ではない場合でも、
電話を代わってもらうためにどのような言葉を選べば良いのでしょうか?
「一度、お話を聞いていただいても良いですか?」や、
「どうしたら良いですか?」「どうしたら良いでしょうか?」は
「あ~!最初に電話に出てくれた人が困ってる。私がなんとかしなくちゃ」
と思っていただける魔法の言葉です。お試しください!
業務電話だと思ったら営業電話だった編
ある日、特殊な業務をしているB看護師さんに電話を取り次ぎました。
その方には様々な職種の方から電話が架かってくるので、
(関係が全くなさそうな、不動産のピ〇ッ〇〇ウスなど)
普段から先方には用件を聞いていなかったのですが、
電話を取り次いだ数分後にB看護師さんから内線電話があり、
「資産運用の勧誘電話だったわよ!よく内容を聞いてから回してちょうだい!」
とお叱りを受けてしまいました。
Cソーシャルワーカーさんへと名指しで架かってきた場合も
【がん相談関連】がほとんどなので、
患者さんのお名前のみうかがっていますが、
(大抵、〇〇の家族ですなどと名乗って下さいます。)
今のところ、用件を聞かないことによる問題はないようです。
B看護師さんやCソーシャルワーカーさんのように
特定の職員を名指しした電話の場合は、
通常であれば用件は聞かなくて良いと言われているのですが、
実際にB看護師さんはご立腹の様子でしたし、
大きな総合病院で色々な部署があって、
それぞれに微妙な取り次ぎ方の違いがあるので、
用件をどこまで踏み込んで聞いていいものやら
判断に迷うことも多いです。
基本的には
「御社名とお電話口の方のお名前をお伺いできますか?」
「どのようなご用件でしょうか?」と用件確定をしっかり行って、
「〇〇課のどの者にお繋ぎしますか?」とお繋ぎ先が確定できれば、
後は本人か本人が不在の場合は同じ部署の方にお任せすればOKです。
『ご挨拶をしたいので』や、
『お送りした資料の件で』と曖昧な用件の場合も、
そのままお伝えしていますが、
名指し人に「知らない会社だから断って!」と電話を戻された場合は、
『申し訳ございませんが、お伝えしたところ「要望がないので結構です」
と申しておりました。』
と説明すると、問題なく引き下がってくれます。
実際には名指し人が出勤しているのに、
「担当者が席を外しているって言っておいて!」
などとその場しのぎの理由を言うと、
営業電話が何度もかかってくる場合があるので、
一度、直接電話に出て、きっぱりと断りの意思を示していただきたいものです。
はっきり断ることが一番だと思います。
営業電話も丁寧な敬語を使って上手に断わりましょう!
私の勤務先の病院の電話交換室では、医師・看護師・スタッフの求人に関する営業電話のみ
断って良いとされております。
「申し訳ございませんが、求人のお電話はお断りするように、と申しつけられております。」
と言うと、「そうでしたか、分かりました。お忙しいところすみませんでした。」
と、あっさり電話を切ってくれます。
次に、「営業電話はすべて断って良い」と、
上司から指示されている場合の言い回しをご紹介します。
「御社名とお電話口の方のお名前をお伺いできますか?」
「どのようなご用件でしょうか?」と用件確定をしっかり行って、
営業ではなく、用事のある方からの電話だった場合は、
「大変失礼いたしました。少々お待ちください。」と、担当者に電話を取り次ぎます。
「〇〇というサービスのご案内で~」
「〇〇料金がお得になるシステムのご提案で~」など、営業であることが確定できた場合は、
・「申し訳ございませんが、〇〇のお電話はお断りするように、
と申しつけられております。」
・「申し訳ございませんが、現在、新規のお取引は行っておりませんので
ご了承くださいませ。」
・「申し訳ございませんが、お断りさせていただきます」
・「恐れ入りますが、必要な場合はこちらからお電話をしますので、
今後のご連絡は不要です。」
・「せっかくお声がけいただきありがたいのですが、弊社では必要ございません。
お手数ですが、リストから削除していただけませんか?」
と、曖昧な言葉は使わず、はっきりと断り、
これ以上、会話を続ける意志がないことを伝えるために
「お電話ありがとうございました!」と感じ良く言ってしまいましょう!
それでも・・・
「いやちょっとご挨拶だけでも・・・」
「担当の方に代わっていただけますか?」
「担当者の名前だけでも教えて!」
「あなたに断る権限があるの?」
などと、しつこくされたら、
「それでは担当者から折り返しお電話をするよう申し伝えますので、
電話番号をおうかがいできますか?」
と連絡先を聞くと、大抵の場合は自分の身元を明かしたくないので切ってしまいます。
連絡先を聞いた場合は「必要がある場合のみ折り返しご連絡させていただきます」
ときちんと伝えましょう。
それでも、なお一方的に話を続ける場合は、
「お話の途中で申し訳ございませんが、担当者にはきちんと申し伝えますので、
これにて失礼いたします。お電話ありがとうございました。」
と言って、電話を切ってしまいましょう!
(あらかじめ、こういう場合に電話を切って良いかどうか上司に確認しておくと安心ですね!)
まとめ
・電話を担当者に取り次ぐ際は、
相手が名指し人の名前などを間違って言ったとしても、
うっかり情報を漏らしてはいけない!
・名指し人が電話口に出られないときなど
代理の方にスムーズに電話に出てもらうための
言い回しを覚えよう!
・「担当者の名前だけでも教えて!」など、
また電話を架けるための情報を聞き出そうとする営業マンの質問には答えないこと!
・こちらが事務的で冷たい口調だと営業マンも気分を損ねます。
あくまでも丁寧な敬語を使って気持ちよく電話を切りましょう!
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