
プレミアムフライデー
は誰のためのもの?
月末の金曜日、日常よりも少し豊かな時間を過ごすことを目的に、2017年2月24日から始まった「プレミアムフライデー」。
働き方の変革を目指す取り組みとのことですが、働き方は百人百様なのに、毎月末の金曜日には15時に退社するようにと、一方的に促されることは、多くの人にとってありがた迷惑ではないのでしょうか!?
働き方改革という名の働かせ方改革とも受け取れるプレミアムフライデーは、一体誰のために作られたものなのでしょうか?
働き方改革は働かせ方改革!?
働き方改革関連法案では、残業時間の上限を「月45時間、年360時間」、繁忙期でも「月100時間未満、年720時間」と定めましたが、1か月100時間未満ということは、1日あたり平均5時間も残業させられることになります。
あくまでも目安ですが、過労死ラインは、月に20日出勤した場合、1日4時間以上の残業で月に80時間以上とされています。
働き方改革は、過労死ラインの月100時間を合法化してしまう危険性があるのではないでしょうか?
繁忙期の残業時間「年720時間」を月にならすと60時間、1日3時間になります。
毎日が繁忙期で、閑散期のない企業で働いている方はが、サービス残業をさせられているという実態もあります。
改革とは、従来の制度を改めてよりよいものに改善することを指すのではないでしょうか?
改悪という言葉をあえて使わないとしたら、「働かせ方改革」と言われても仕方のないことだと思います。
働き方改革プレミアムフライデーとは?
プレミアムフライデーは、「給料日直後の月末金曜は15時に退社して、買物や家族との外食、観光など、普段よりもプレミアムな生活をしましょう♪」と、経済産業省や経団連が推進する、働き方改革に連携した個人消費喚起を向上させるキャンペーンです。
私が30年以上前に勤めていた会社の総務課には年配の方が3人いて、「給料が安すぎる!残業代をもらわなきゃやってられないよ!」と普段からぼやいていて、日中はしょっちゅうお茶を啜りながらお菓子を食べて雑談をしていて、17:00になると「さて、始めるか!」と腕まくりをして残業を始めていたことを思い出します。
この方達の仕事は、30年以上前ということもあり、そのようなやり方でも終わる程度の内容だったのかも知れません。
ですが、残業による過労死が問題視されている今、月末金曜は15時に退社しましょうと言われても、そんなに都合よく仕事を終わらせることができるのでしょうか?
プレミアムフライデーは、15時に退社しなければならないので、その分、前日に残業したり、当日に早朝出勤したり、15時に退社したあと、カフェや自宅で仕事をするという声も上がっています。
プレミアムフライデーを実施することで、残業が抑制されているかというと実態はNOです。
プレミアムフライデー推進協議会事務局が行ったアンケート結果によると、2月24日に通常よりも早く退社した人は全体の17.0%で、そのうちの87.6%の人は満足度が高かったということを強調していますが、調査会社インテージの調査によると、職場で15時退社が実施されたと回答した人は2.8%、早く帰らなかったと回答した人は96.3%という結果でした。
プレミアムフライデーに早く帰るために、他の日に残業が増えたら本末転倒です。
形だけの政策よりも、毎日、定時で退社できるような労働環境を整えるように改善することが先決なのではないでしょうか?
働き方改革は誰のためのもの?
実際には、プレミアムフライデーに早く退社しなかった人が多かったのですが、早く退社する人が今後増えた場合は、接客業の方などは労働時間が伸びると考えられます。
営業職の方はノルマもあって月末は最後の頑張りどころなので、早く退社している場合ではないと思います。
その他、プレミアムフライデーを導入するメリットのある業種の方は少ないのではないでしょうか?
かえって働きにくくなってしまう働き方改革は、誰のために考えられた施策なのでしょうか?
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