お互いに顔の見えない電話応対で、
お客様と会話をする上で「相づち」の役割は重要です。
「お客様のお話を真剣に伺っておりますよ」と、
こちらが反応できる行為が「相づち」です。
その相づちを、私たちはほとんど無意識に
打っているのではないでしょうか?
ところが、その相づちの言葉を間違って使ってしまうと、
お客様を不快な気持ちにさせたり、怒らせてしまうこともあります。
「なるほど」や「なるほどですね」
という相づちを打たれたときに、
まったく気にならないという人もいるようですが、
電話応対を含むビジネスシーンだけでなく、
プライベートシーンでも「不愉快」「失礼」と感じる人が多い言葉です。
「なるほど」という言葉についてまとめてみました。
電話応対で「なるほど」と相づちを打ったら、お客様に「失礼だ!」と叱られた!
私の元上司(男性)の失敗談です。
初めに電話を受けた女性オペレーターが、
相手の男性のお客様に上司に代わるようにと指示をされたので、
上司が電話を代わったのですが、内容はクレームでした。
上司の丁寧な説明によりお客様は納得され、
クレームそのものは解決しました。
ところが、その会話のやり取りの際に、
お客様がおっしゃったお話の内容に、
上司が、
「なるほど。なるほど。なるほどですね。」
と相づちを打ってしまったことで、
「客に向かってなるほどとは何だ?失礼だ!」となり、
上司はそのお客様に30分以上お叱りを受けてしまうことになりました。
上司だけでなく、私も周りのオペレーターも、
「なるほど」という言葉が失礼になるということを知りませんでした。
「なるほど」の何がどう失礼なのでしょうか?
まず言葉の意味ですが、
「なるほど」という言葉は副詞で、敬意が含まれておらず、
いかにも。確かに。という意味です。
「なるほど、〇〇君の言う通りだ」のように、
相手の意見に同意や納得をしたときに使う言葉ですが、
敬意が含まれていないので「その通り!」というニュアンスになってしまうため、
相手が「上から目線な言い方で失礼だ!」と感じてしまいます。
「なるほど」は相づちとして便利な言葉なのですが、
使う対象は、対等な立場か部下に限定されます。
そのため上司やお客様に対して使うと失礼にあたってしまうのです。
また「なるほどですね」という言葉は、
「なるほど」と「そうですね」の
組み合わせによって生まれた言葉です。
「なるほど」だけでは失礼かもしれないと
「ですね」を苦し紛れに付け加えた感じもあり、
「なるほど」同様、失礼になりますのでNGです。
「なるほど」の意味の
「いかにも」や「確かに」という言葉は、
上司やお客様に敬語としてそのまま使えますが、
「いかにも」は「まさしく」と同様、言い回しが少し硬くて古いため、
現在では同意するときに使う方は少ないようです。
「確かに」は「言われてみればその通り」という意味なので、
意味としては重複してしまうのですが、
「確かに、お客様のおっしゃる通りです。」
というフレーズならスムーズに言えそうですが、
敬語と言われても「確かに」という言葉単独では、
上司やお客様には使いづらいかもしれませんね。
言葉は語尾の上げ下げで意味合いがまったく違ってくる場合があります。
「確かに」という堅苦しい言葉も言い方ひとつで変わってきます。
一昔前に流行った芸人さんのギャグが、
現在の若者に浸透しているのかどうかは分かりませんが、
時々、耳にする言い方です ↓↓↓
間違っても「確かに~!」と語尾を伸ばさないように注意しましょう!
「なるほど」の代わりに使う言葉と、うっかり「なるほど」と口走ってしまった時の対処法は?
「いかにも」や「確かに」は使っても間違いではないけど、
使いづらい・・・
では「なるほど」という相づちの代わりに
どのような言葉なら上司やお客様に使っても失礼にあたらないのでしょうか?
「ええ」や「そうですね」が思い浮かびますが、
この言葉は敬語ではないので、上司やお客様に使うときには失礼になります。
「ええ」を使うのでしたら、敬語表現の「はい」を、
「そうですね」を使うのでしたら、敬語表現の
・「そう思います。」
・「おっしゃる通りです。」
・「さようでございますか。」
という言葉に言い換えましょう!
冒頭でお伝えしたように、
私たちはほとんど無意識に相づちを打っていることが多いので、
「なるほど」がすでに口癖になっている方もいるかもしれませんね?
「癖」ですからすぐには直せないかもしれません。
「なるほど!」と、うっかり口走ってしまった!
「どうしよう!アワワワワ・・・・・」
と、焦らなくても大丈夫です。
相手にもよりますが・・・。(´・ω・`;A) アセアセ
そんなときは、
「なるほど」と言ってしまったすぐ後に、
丁寧な同意の言葉を付け加えれば、
同輩以下への応対というニュアンスが軽減されます。
「なるほど。わたくしもそう思います。」
「なるほど。お客様のおっしゃる通りです。」
「なるほど。さようでございますか。」
「なるほど。さようでございましたか。」
このような言葉を使い慣れていない方は、
咄嗟のときに慌てないように、
何度か口に出して練習しておくことをオススメします!
さいごに
「なるほど」以外にも、
自分や職場のスタッフが、
お客様に指摘されて初めて、
「この言葉遣いはNGだったのね!」
と気づかされることもあるかと思います。
自分が正しいと思って使っていた言葉に対して、
突然、「その言葉、おかしくないですか?」
と指摘されるわけですから、
「この言葉の、ど・ど・ど・どこがおかしいの?」(←心の声)
と慌ててしまいますね。
私がコールセンターに勤めていたときの先輩が、
あるとき、一時間近くお客様との電話を切れずにいました。
あとで先輩からお話を聞いたところ、
電話の相手は、今は定年退職をしたけれども、
長年、国語の教師をされていた方で、
先輩が【情報】という言葉に【ご】をつけてしまったことに対して、
国語教師スイッチが入ってしまったらしく、
延々と「そうではなくて・・・」と、
お説教に限りなく近い解説が始まってしまったそうです。
オペレーターはたくさんの電話応対をしなければならないので、
先輩は注意を受けている最中は、
「以後、気をつけますので、お願いですから電話を切ってくださ~~い」
と心の中でお祈りをしたそうですが、
「永遠に電話が切れないと思って焦っちゃったけど、勉強になったわ~」
と言っていました。
案内代行のコールセンターでしたので、
「〇〇(←施設の名前)から情報をお預かりして、代わってご案内しております」
というフレーズをよく使っていたので、
「私、2年近く間違った言葉を使い続けていたんだわ~」
とショボ~ンとしていましたが、私も同じようなことがありました。
そのように指摘をして下さるお客様のお陰で、
次から自信を持って正しい電話応対ができるので有難いです。
電話応対の仕事はストレスも溜まりますが勉強になります。
今日もお仕事お疲れ様でした。
明日もまた頑張りましょう♪
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