
こむら返り
突然、襲ってくるこむら返りの激痛を体験したことのある方は少なからずいらっしゃると思います。マラソンなどの運動中や、就寝中の特に明け方にこむら返りが起こりやすいのは何故でしょうか?
私は運動は殆どしないのですが、仕事中や就寝中に何度もこむら返りを起こしているうちに、痛みを緩和する対処法は覚えましたが、こむら返りが起こる原因は何なのでしょうか?
今回は、こむら返りが起こる原因と予防対策、そしてこむら返りが起きてしまったときの痛みの緩和方法についてお伝えします。
こむら返りが起こる原因は?
子持ちししゃものような形をしたふくらはぎの筋肉の腓腹筋(ヒフクキン)の腓という漢字を訓読みにするとこむらと読みます。
筋肉内には、筋肉が伸ばされ過ぎないようにコントロールしている筋紡錘(キンボウスイ)と、腱内(ふくらはぎの場合はアキレス腱内)に、筋肉が縮まり過ぎないようにコントロールしている腱紡錘(ケンボウスイ)というセンサーがあります。この2つセンサーが絶妙なバランスで働いて筋肉を正常に収縮させているのですが、何らかの原因でセンサーに異常が起こり、ふくらはぎの筋肉が収縮したまま緩まなくなった状態を筋痙攣=こむら返りと呼んでいます。
センサーの働きを弱める原因は3つ
センサーの働きを弱める原因のひとつは脱水です。スポーツなどで汗をたくさんかいたときに、大量の電解質が失われた状態で水だけを飲んでしまうと、血液が薄くなり電解質の濃度がさらに低下して、ナトリウムやカリウムなどの電解質のバランスが崩れ、神経や筋肉が刺激を受けやすい興奮状態になってこむら返りが起きてしまうので、熱中症の脱水時と同様にスポーツドリンクや経口補水液などで電解質を補給する必要があります。
もうひとつの原因は長時間の立ち仕事や運動です。足の筋肉の緊張が長時間続くと、常にセンサーが刺激された状態になるため上手く作動しなくなります。このときにふくらはぎに力が加わるとセンサーが過剰に反応し、筋肉が異常に収縮してこむら返りが起こります。マラソンや足を激しく使うスポーツ時にこむら返りが多いのはこのためです。
体の冷えもセンサーの働きを弱める原因になります。寝ているときは足の温度が低下し、センサーの感度が鈍くなり、長時間体を動かさないとセンサーも働かなくなることがあります。さらに仰向けで寝ると、重力や布団の重みで足先が伸びてふくらはぎが縮んだ状態になりますが、体を無意識に動かしたときにふくらはぎにギュッと力が入ってしまうことがあります。就寝時の明け方にこむら返りが起こりやすいのはこのためです。
こむら返りの予防対策とは?
こむら返りの予防対策をご紹介します。
・食事でミネラル分を摂取する
普段の食事からカルシウムやマグネシウムを多く含む食材を摂ることがこむら返りの予防になります。カルシウムは、乳製品・小魚・殻ごと食べるエビなどに多く含まれ、マグネシウムは、大豆製品・魚介・海藻などに多く含まれます。
水分補給は、脱水を防ぐためにミネラルを十分に含んだスポーツドリンクを飲むのも良いのですが、糖分が多く含まれているので、予防的に飲む場合はできれば経口補水液をおすすめします。
・運動前後の注意点
運動をする前は、ウォーミングアップをしっかりと行い、運動後は硬くなって縮んだ筋肉を元の状態に戻すために、ゆっくりとストレッチを行いましょう。
こむら返りを起こしやすい人は、ウォーミングアップ前にテーピングをしましょう。
普段から足の筋力をつけるためにスクワットを行うのも効果的です。
まったく運動をされていない方が、急に長時間歩いたり運動をするとこむら返りが起こる可能性が高まるので、普段から適度な運動や歩く習慣をつけることが重要になります。
運動をしている方でも、通常より激しい運動をしたり長時間泳いで足の筋肉を使い過ぎると、眠っている間にこむら返りを起こすことがあるので、運動後のマッサージを忘れずに行いましょう。
・入浴や寝るときの注意点
寝る前にぬるめの湯船にゆっくりと浸かり、お風呂上りにはミネラルをたっぷりと含んだ常温のお水か経口補水液をコップ1杯飲んで、アキレス腱を十分に伸ばすストレッチやふくらはぎのマッサージを行ってから布団に入りましょう。
仰向けではなく横向きで寝たり、軽い掛け布団に替えたり、冬場は湯たんぽなどで足元を温めるとこむら返りの予防になります。
それでも、こむら返りが慢性的に起こるようなら、マルチミネラルサプリメントを飲んだり、医師に相談して漢方薬などのお薬を処方してもらうことをおすすめします。
こむら返りの痛みの緩和方法は?
こむら返りを起こしてしまったときは、立てるようであれば、反動をつけずにゆっくりとアキレス腱を伸ばすストレッチを行いましょう。筋痙攣時には微細な筋肉の損傷があるので、勢いよくアキレス腱を伸ばしてしまうと肉離れを起こす危険性があるのでご注意下さい。
立ち上がれないときは、上半身を起こした状態で、右足がこむら返りを起こした場合は、左手で右足の膝上あたりを膝裏を伸ばすように押さえながら、右手で右足首をそらすようにゆっくりと起こします。ゆっくりじわじわとアキレス腱を伸ばすストレッチをすればふくらはぎの筋肉を伸ばせます。手が足先に届かない場合は、足の先にタオルなどをかけて引っ張っても効果があります。寝る前に枕元にタオルを準備しておくと安心ですね。
足が攣ったときの対処法 動画
さいごに
私が仕事中に何度もこむら返りを起こしたのは、自分に合わない仕事を無理に続けていたときでした。立ち仕事ではなく座り仕事でありながら、勤務時間中はいつも緊張していて気づくと爪先立ちでした。
ストレスで食事も摂れなくなっていたので脱水もあったのだと思います。私がこむら返りのもんどり打つような激痛に耐え、あぶら汗を流していると上司がスポーツドリンクを買ってきて下さり、飲むと5分と経たないうちに痛みが楽になり感動しました!
この上司は水泳が趣味なのですが、しょっちゅうこむら返りを起こすので対処法をご存知だったのです。とっても助かりました。
こむら返りを起こす方は予防法や痛みの緩和方法を参考にしてみて下さいね♪
コメント