手掌多汗症の症状と治療法 手術の副作用の代償性発汗の回避方法とは?

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手掌多汗症の症状と治療法
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手掌多汗症の症状と治療法
 
 
「手に汗握る」という言葉があるほど、興奮や緊張で握った手がじっとり汗ばむことは誰にでもあることですが、日常生活や授業や仕事に支障をきたすほど大量の汗をかいてしまう場合は手掌多汗症という病気である可能性が高く、手術を受けてでも治したいと真剣に悩んでいる方も少なくありません。

手掌多汗症の症状と治療法、手術の副作用である代償性発汗を回避する方法についてまとめました。

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手掌多汗症の症状とは?

汗をかくことは体温調節をするためになくてはならない機能なのですが、手の平・脇の下・足の裏などに、日常生活や授業や仕事に影響を及ぼすほどの大量の汗をかく症状は多汗症と呼ばれ治療が必要です。

脇の下や足の裏の多汗症の場合は、臭わない限り周りの人に気付かれる可能性は低いのですが、手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)の場合は、酷いときは手の平らから汗が滴り落ちるほどなので周りの人に気付かれますし、苦痛に感じる状況が多いです。

手掌多汗症で困る場面

・教科書やノートやプリントがフニャフニャになり波打ってしまう
・試験中はタオルを使えないので解答用紙が手汗でよれたり破けたりする
・パソコンのキーボードやマウスがビショビショになる
・大事な書類がフニャフニャになって文字を書くと破れてしまう
・手を繋いだり、握手ができない
・ビン類などを落としやすい
・車の運転中にハンドルがすべる

手掌多汗症は、10代~30代の方に多発しますが幼少期から発症するケースもあります。

本人が親に苦痛を訴えたり相談しても、体質ということで片付けられてしまい、治療を受けることもできず、毎日悩みながら過ごす場合も多くあります。

手掌多汗症の治療法とは?

手掌多汗症の原因は、まだはっきりとは分かっていませんが、大脳からの刺激が深く関わっている精神性発汗と考えられています。
 
何らかの原因で、自律神経のひとつである交感神経の働きが活発になることで、エクリン汗腺が活性化されて多量の発汗が促された結果、さまざまな困った現象が起こります。
 
それほど緊張しているわけでもないのに大量の手汗をかくこともあるので、常にタオルを準備しておくほかに対処のしようがありません。

手掌多汗症治療の種類

手掌多汗症治療にはさまざまな方法があります。
 
●心理療法・自律訓練法
●精神安定剤による薬物療法
●プロバンサインンなどの神経遮断薬
●アルミニウム配合薬剤(制汗剤)による治療
●頸部にブロック注射を打つ、星状神経節ブロック
 
などがよく知られていますが、これらの治療法は対処方法で、一時的に改善が見られても繰り返し治療を行う必要があり、手掌多汗症の根治には至らない場合が多いのですが、根本的な治療法としてETS手術があります。
 
ETS手術とは、胸部交感神経遮断手術のことです。
 
交感神経の神経刺激経路は、胸部交感神経を経由しているので、この経路を遮断すれば手の平の汗を止めることができます。
 
ETS手術は、根本的な原因に対する治療法なので、確実な効果が期待できます。
 
以前は、患者さんに大きな負担がかかる開胸手術だったためあまり普及しませんでしたが、手術時間が短く、患者さんの身体的負担が軽く、健康保険も適用される胸腔鏡手術が行われるようになってからは、手術を希望する方が増え続けています。

手掌多汗症手術の副作用(合併症)

どんな手術にも起こり得ることですが、ETS手術にも副作用(合併症)はあります。
 
ETS手術後は手の平の汗は確実に少なくなりますし、多くの場合は脇の下・首、場合によっては顔面・頭部・足の裏からの汗も少なくなります。
 
発汗は体温を下げる効果を持っているので、多汗症手術後に汗が少なくなることによって、首や顔が熱く感じるという患者さんも時々います。
 
ETS手術を受けた患者さんのほぼ全員に起こる合併症として代償性発汗があります。
 
代償性発汗とは、手術前にはなかった、胸・腹・腰・大腿部からの汗が多くなるという現象です。
 
代償性発汗の程度の個人差が大きく、手術前に、どの程度の発汗が起こるのかを予測することはできませんが、起きている間ずっと発汗している手掌多汗症とは異なり、気温が高い時や運動した時の発汗が多くなるので、下着を取り替えたり、汗を拭くことで対応ができます。
 
代償性発汗とは逆に、ETS手術後に手の平がカサカサになったり、冬にはひび割れができるという副作用(合併症)が出る患者さんもいますが、保湿剤で対応することができます。
 
このように高い確率で副作用(合併症)が出てくるETS手術ですが、患者さんは、医師の説明で納得した上で手術を受けるので、術後の満足度は高いです。
 
通常は手術当日に入院して翌日の昼頃に退院するので、入院期間は1泊2日で、1週間前後に傷の確認をしてもらい、問題がなければ治癒となります。

手掌多汗症の手術の副作用の代償性発汗の回避方法は?

術後の満足度が高いETS手術ではありますが、手掌多汗症そのものの症状は軽減されたものの、10分歩いただけで下着を絞れるほどの大量の汗をかいたり、すべってサンダルが履けないほど、足の裏から大量の汗が出たり、布団が濡れるほど大量の寝汗を毎晩かくようになったというように、背中やお腹から出る大量の汗に悩まされている方もいらっしゃいます。
 
どうしてもETS手術を受けたいとお考えの方には、神経遮断手術でも、切除や焼却ではなく、チタンクリップで挟む方法をおすすめします。
 
手術を何度も繰り返すことは体に大きな負担がかかりますが、この方法であれば、代償性発汗が予想を超えて耐え難い場合に、再手術でクリップを取り除いて、以前の状態に戻せる可能性があります。

さいごに

手掌多汗症の手術ではないのですが、高校生の頃、親にすすめられてある手術を受けました。
 
症状そのものは手術のおかげで暫くは治まっていたのですが、結局、数年後に再発してしまいましたし、女性ということもあり、醜い手術痕や後遺症に長年悩まされた経験があるので、手術を受けたことを後悔しています。
 
手術はあくまでも最終手段として取っておき、まずは、手掌多汗症治療の種類で記載した、体に優しい方法から順番に試されることをおすすめします。
 
●心理療法・自律訓練法
●精神安定剤による薬物療法
●プロバンサインンなどの神経遮断薬
●アルミニウム配合薬剤(制汗剤)による治療
●頸部にブロック注射を打つ、星状神経節ブロック
 
アルミニウム配合薬剤(制汗剤)による治療を受けながら、ボトックス注射を手の平にする方法もあります。ボトックス注射も一時的な効果しか得られませんが、「この日だけはどうしても手汗を抑えたい」という場合であれば意味のある治療法だと思います。
 
すべて試してみた上で、ETS手術を考慮しても遅くはないと思いますし、手掌多汗症は、年を重ねるごとに自然治癒する傾向が高まる病気であることも覚えておかれると良いかと思います。
 
 
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