あなたは右利きですか?左利きですか?世界の人口の約10%が左利きの人ということをご存知でしょうか?
なぜ左利きが少数派なのか?という理由は分かっていないのですが、世界に流通している商品のほとんどは、約90%を占める右利きの人のために作られているということは確かですね。
左利きの人は、右利きの人よりも、はるかに不便な思いをする場面が多いです。
現在では、左利きも子どもの個性だと捉える親が増えてきたこともあって、矯正をする家庭は少なくなってきましたが、ひと昔前までは、さまざまな理由から、わが子の左利きを右利きに直そうとする家庭がとても多かったのです。
子どもの利き手を無理に矯正してはいけない理由についてまとめました。
左利きの人が不便に感じるのはどんなとき?
私の娘は左利きなのですが、「この子は左利きかもしれない」と気づいたときは「右手よりも左手の方が使いやすいのね」と思っただけで、幼稚園や小学校に上がる前も、「右利きに直した方が良いのではないか?」とはまったく考えませんでした。
知人のお子さんも左利きだったのですが、「受験をするので右利きに直すのはもちろんのこと、両手利きにするための訓練をしている」とお母さんが言っていて、実際に、子ども同士で楽しく遊んでいる最中にも、お母さんに右手を使うようにと、何度も厳しく注意されていたので可哀想でした。
その子は私立の小学校に通うようになっため、訓練の結果は分からないままですが、教育熱心なお母さんだったので、もしかしたら両手利きになれたのかもしれません。
●左利きの人はどのような場面で不便だと感じるのでしょうか?
・レストランで食事をするときなど、左利きの人の左隣に右利きの人が座ると手がぶつかってしまう。
・横書きのノートに文字を書くときは左から右に書くため、筆記具によっては手とノートが汚れてしまう。
・パソコンのテンキーやエンターキー・カメラのシャッターボタンなどのボタンや、テレビのリモコンの電源スイッチはたいてい右側に配置されているので使いにくい。
・自動販売機や今はあまり見かけなくなった公衆電話の硬貨投入口は向かって右側にあるので入れにくい。
・ノートパソコンのDVDを入れる光学ドライブが右側についているものが多いので取り出しにくく、有線LANケーブルが左側についていることが多いので、マウスを左側に置きにくい場合がある。また、マウスの操作ボタンが右利き仕様になっている。
・自宅や会社の電話機の受話器の位置も右利き仕様になっているため、左手で受話器を持って右手でプッシュボタンを操作したり、メモを取らなければならないため、電話機の配置によっては手がクロスしてしまう場合もある。
・日本の自動改札機は右側に投入口やICカードセンサーがあるので慣れる必要がある。
・学校や職場で使うハサミは右利き用ですし、急須は持ち手の左側に注ぎ口があるので注ぎにくい。
・ファミリーレストランのランチタイム用のスープを注ぐおたま(レードル)の注ぎ口が左側にあるので非常に注ぎにくい。
娘も給食当番のときに、スープを注ぐ係りになるたびに、おたま(レードル)が上手く使えずに困っていましたが、丸い方から注げなかったのかな?と今になって思っています。
娘が小学6年生のときに、体育館で10人が一斉に「用意ドン」でダッシュをして、ゴールの床をタッチしてUターンでスタート地点に戻ってくるという授業があったのですが、娘は左利きだったためゴールの床を左手でタッチして時計回りに体をターンさせて、右隣の男の子は右利きだったので右手で床をタッチして反時計回りに体をターンさせたところで正面衝突してしまい、娘は鼻を陥没骨折してしまいました。
入院して手術を受けたのですが、私はこのとき初めて、右利きだったらこんなことにはならなかったかもしれないという後悔が頭をよぎりましたが、体育館での授業の状況を確認したところ、担任が、かなり狭い場所で隣の児童との安全な間隔を取らずにダッシュさせていたと知り、運が悪かっただけなのだと自分に言い聞かせることにしました。
左利きの人が欲しいと思う便利グッズは?
・左利き用 ハサミ
・左利き用 眉ハサミ
・木材がサクサク削れる左利き用カービングナイフ
・左利き用 栓抜缶切
・左利き用 マウス
・左利き用 横口レードル
・左利き用 包丁
・左利き用 スイングトレーナー(ゴルフ練習)
・左利き用 扇子
・左利き用 急須
子どもの利き手を無理に矯正してはいけない理由とは?
子どもの躾をきちんとしていないと周囲から思われたくないという気持ちや、子どもが将来困らないようにという親心であったりと、理由はさまざまでも、幼少期であれば、利き手が変更できるのではないかと考えて矯正を行なおうとする場合が多いのです。
左利きを無理に矯正しようとすると、脳が持ちやすいと感じているのとは逆の、「箸や鉛筆を持つ方が右!」と教えられるので、大人になってからも左と右が混同する場合があるのです。
また、左利きの矯正は本人が自らの希望で始めたものではなく、「親の言うことを聞かないと厳しく叱られる」という恐怖心からしぶしぶ行っているため、「左手を使ってはいけない」と思いつつ、上手く右手を動かせないストレスも加わって、チックやどもりや夜尿症といった症状が出現することも珍しくありません。
常にいわれのない緊張を強いられているために、利き手である左手も上手く動かせなくなる場合もあるので、子どもの利き手を無理に矯正することは、百害あって一利なしです。
矯正の弊害を良く理解していて、子どもの利き手の変更は考えていなくても、舅や姑や小姑を納得させることができずに悩んでいる若いご夫婦もいらっしゃいます。
私の場合は、嫁ぎ先の親戚の困ったおばさまが、「お茶碗は左手に持つんでしょ?」「お箸は右手でしょ?」とか、娘に塗り絵と色鉛筆を見せて「右手で塗る練習をするならこの塗り絵と色鉛筆をあげるよ」などと言って、来るたびに娘の利き手を矯正しようとするので、内心『勝手なことしないでちょうだい!』と思いつつ、そのまま言うと角が立つので、「無理に右利きに直すつもりはありません」とはっきり言うと、それ以降は口を出さなくなりました。
さいごに
娘に左利きで困ったことはなかったかと聞くと、自分で不便だと思ったときは右手を使うようにしたので、「給食当番のときに、おたま(レードル)が上手く使えなかったこと」くらいしか思い浮かばないと言っていて、むしろ、スターティングメンバーではなかったのですが、バスケットボール部に所属していて、「ときどき、相手チームの調子を乱すサウスポーとして投入してもらっていたことが嬉しかった」と言っているので、無理やり利き手を矯正しなくて本当に良かったと思っています。
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