サバ・アジ・イワシなどの青魚には、体内でほとんど作ることができない「必須脂肪酸」のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)というオメガ3系脂肪酸が多く含まれています。
魚を食べることと血管の関係についてEPAが注目され始めたのは、グリーンランドのイヌイット族を対象に行った疫学調査がきっかけです。
イヌイット族は野菜をほとんど摂らず、アザラシなどの肉を主食としているにもかかわらず、牛・豚・羊など同じく肉食中心のヨーロッパ人より、心筋梗塞での死亡率が極端に低かったのです。
調査の結果、イヌイット族の血液中に含まれるEPAやDHAはアザラシが主食とする青魚に由来するもので、ヨーロッパ人に比べて極めて多いことが分かりました。
鮮度が良く脂がのった旬の魚には、EPAとDHAの両方が含まれており、EPAは、「血液をサラサラにする」「中性脂肪値を下げる」「血管年齢を若く保つ」「動脈硬化を防ぐ」などの血管や血液の健康を維持するための重要な役割を果たしています。
今回は便宜上、青魚をサバに限定しますが、中性脂肪を下げるために週に何回、どれくらいの量を食べたら良いのかと、生のサバを調理するのではなく、安価なサバの缶詰を毎日食べ続けると保存料や添加物などが体に悪い影響を及ぼすのではないか?ということと、サバの缶詰は生のサバに比べて栄養価が低くなるのではないか?ということを調べてみました。
鯖を毎日食べると中性脂肪は下がる?
日本でも厚生省調査で魚の摂取量と冠動脈性心疾患リスクの関係が分析され、週に7回魚を食べるグループは、週に1回以下のグループに比べ、冠動脈性心疾患の発症リスクが37%、心筋梗塞の発症リスクが56%低下していることが確認され、可能であれば、青魚は週に数回よりも毎日食べた方が良いことが分かりました。
厚生労働省では、食用油や魚の油から摂取できるオメガ3系の脂肪酸の1日の摂取目安量を、成人男性で2.0~2.2 g、成人女性で1.8~2.2 gと設定していて、食用油からもオメガ3系の脂肪酸を半量摂取すると考えて、鯖から半量摂るためには、毎日90 g程度を食べることになります。
サバの切り身一切れが約90 gなので、3食のうちの1食を魚料理にすれば摂取量はクリアできるのですが、サバを焼くと20%、揚げると半分以上の魚油が流れ出てしまいます。煮魚にすると魚油が煮汁に流れてしまいますが煮汁ごと食べれば魚油を摂取できます。ただ、味付けを薄味にしないと塩分の摂り過ぎになってしまいます。
そのまま食べられるのはお刺身で、5切れ前後で1日分の魚油を摂取できます。
鯖の缶詰を毎日食べると体に悪い?
お刺身なら簡単に食べられますが、毎日では飽きてしまいますし、1日1食とはいえ、毎日青魚料理を作って食べるのは大変という方もいらっしゃるかと思います。
そこで、安価でお料理にも使えるサバの缶詰を利用するのはどうでしょうか?サバの缶詰には水煮・醤油煮・味噌煮などがありますが、極端な話、毎日サバの缶詰ばかり食べていても健康に問題は無いのでしょうか?
缶詰は一般に以下のような工程で作られます。
原料 → 洗浄 → 調理 → 詰込 → 注液 → 脱気 → 密封 → 殺菌 → 冷却 → 打検・荷造り → 製品
サバの缶詰は常温保存ができて、賞味期限は製造から3年間という物がほとんどなので、保存料をたっぷり使っているイメージがありますが、保存料や殺菌剤の添加物は一切使用していません。
缶詰は、缶に原料や調理済みの食品を詰めて、中の空気を抜いてから密封し、高温高圧で加熱殺菌をした後に冷却するという工程で作られています。製造後は消費者が開封するまで密封状態のままですから、空気・水・微生物などが侵入することができないため、缶詰に保存料や殺菌剤などを使う必要がないのです。
メーカーによって異なりますが、醤油煮や味噌煮には残念ながら食品添加物が使われています。サバの水煮に関しては原材料がサバと食塩だけというシンプルなパターンのメーカーが多いようですので、食品添加物を極力避けたい方は水煮を選んだ方が良いですね。
鯖の缶詰だと栄養価が低い?
サバの缶詰は高温高圧で加熱殺菌されるので栄養価が低くなると思われがちですが、旬の新鮮なサバを空気を遮断した真空状態で加熱殺菌するため、ビタミンその他の栄養価はむしろ家庭で調理されたものより高いと言えます。
さらに、骨まで軟らかく調理されているので、カルシウム量は生サバは100g中に6mgのところ、サバの水煮缶だと260mgに大幅に増え、カルシウムも摂取できるので安価な上に栄養面でも有り難い食材ですね♪
動画のサバの缶詰の表示にもある通り、DHAやEPAも溶け出ているので必ず汁ごと食べましょうね!
さいごに
私は現在、悪玉コレステロールと中性脂肪と尿酸値が高く投薬治療を受けているのですが、なるべく早く食事療法と運動だけで数値を改善したいと考えていたので、サバの缶詰を、たったの1ヶ月間 食べ続けただけで数値が下がった動画は衝撃的でした!
ただ、サバの缶詰だけを食べていれば良いとは思ってはいません。現在、不眠症なので、夜は寝て朝は起きるという規則正しい生活リズムを取り戻してから、バランスの良い食事を1日3食きちんと取れるようになり、毎日運動をするという基礎ができてから、医師に薬をやめて食事療法に切り替えても良いかどうかを相談してみようと思っています。
もちろん、サバを使ったメニューもどんどん取り入れます♪
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