
親知らず
親知らずは前歯から数えて8番目にある奥歯のことです。
親知らずがもともと欠落している方もいますが、欠落していると思って喜んでいたら、顎が小さくて親知らずが生えるスペースがなく、歯茎の中に埋まっていたというケースもあります。
親知らずの生え方によって異なる抜歯方法についてと、親知らずが横向きで生えていて痛みが出てきたら抜くしかないのかどうかをまとめました。
親知らずは生え方によって抜き方が違います
親知らずがまっすぐに生えていれば、他の歯を抜くのと同様に、歯茎に麻酔の注射を打って麻酔が効いてきたら抜くだけなので処置は比較的簡単に終了しますが、実は親知らずがまっすぐに生えていることは少ないのです。
親知らずが斜めや真横に生えて7番目の奥歯をグイグイ押していると、痛みが出たり歯並びが悪くなったり、歯ブラシが届かず虫歯や歯周病になったり、ほっぺの内側に親知らずが当たって口内炎ができることもあります。
まっすぐに生えているように見えても根元の部分が曲がっている場合もありますし、親知らずの根っこが神経に近い部分にまで伸びている可能性もあるので、必ずレントゲン撮影をして、親知らずがどのような状態で生えているのかをチェックしてもらう必要があります。
場合によっては口腔外科のある大きな病院を紹介されることもあります。
親知らずの抜歯の流れ
麻酔
親知らずを抜く前は、歯茎にガーゼなどで表面麻酔を塗って鈍化させてから、親知らずが生えている歯茎に直接注射針を刺して部分麻酔を行います。
抜歯
まっすぐ生えている親知らずを抜歯する際には、基本的にはマイナスドライバーに似ているへーベルと呼ばれる器具を歯と骨の隙間に差し込んで、テコの原理を使って歯を抜きます。
親知らずは、全ての歯が生え揃った後に生えてくるので、スペースがなくなって斜めや横向きに生えてしまう場合があります。
親知らずが斜めや横向きに生えて、先端がほんの少しだけ顔を出していて残りの大部分が歯茎に埋まっている状態や、歯茎の中に親知らずが完全に埋まっている状態ですと、全体が見えないのでメスで歯茎を切開する必要があります。
切開しても隣の歯が処置の邪魔になっていたり、歯茎の中に埋没していてそのままでは抜けない場合は、親知らずを細かく砕いて少しずつ取り出していきます。この処置をする場合は、一般的に30分から1時間弱の時間が必要になってきます。
メスで歯茎を切開したり歯を砕くと聞くと、手術を受けるかのような恐怖心がわいてきてしまいますが、麻酔が効いているので処置中は痛みを感じることはほとんどありませんし、麻酔が切れてから痛みが出た場合は鎮痛剤が処方されるのできちんと服用すれば大丈夫です。
抜歯後
まっすぐ生えている親知らずを抜歯した場合は、抜歯後、ガーゼを噛んで止血します。血が止まって体調に問題がなければ処置は終了です。歯科医師の判断で歯茎を糸で縫い合わせるケースもあります。
縫合した糸は自然に溶けてなくなるものもありますが、溶けない糸で縫合した場合は1週間後位に抜糸を行います。
抜歯後の口の中や傷口の状態によっては、1週間以内に消毒をする場合もあります。
斜めや横向きに生えた親知らずを抜歯した後は、傷口を縫合してガーゼを噛んで止血して、気分も悪くなければ処置は終了で帰宅できます。
歯茎を切開しているので、翌日も受診して傷口の経過観察と消毒を行い、溶けない糸で縫合した場合は1週間後位に抜糸が必要です。
横向きの歯を抜いたときは麻酔が切れたあと強い痛みが2~3日続くので、処方された鎮痛剤や抗生物質などのお薬をきちんと飲んでも痛みが続くようなら医師に相談しましょう。
親知らずが横向きに生えていて痛みが出たら抜くべき?
親知らずを抜かなくても良い場合
・親知らずがまっすぐに生えていて、歯磨きがしっかりとできている
・親知らずが歯茎の中に埋まっていて出てくる可能性が低い
以上のような場合は、歯科医の判断にもよりますが、他の歯の歯並びなどに影響がない親知らずは抜歯せずにそのままにしておくケースが多いです。
親知らずを抜くべき場合
・親知らずが斜めや横向きに生えていて、他の歯に影響を与えている場合
・親知らずが虫歯になっている場合
・親知らずが炎症を起こして腫れたり痛みがある場合
以上のような場合は、確実な治療方法は抜歯のみです。
親知らずを抜かなければならないと頭では理解していても、なかなか決断できないとは思いますが、放置しておけば悪化するばかりで良くなることはありません。体調の良いときを見計らって抜歯してもらうことをお勧めします。
心臓に疾患のある方の場合はまずは主治医にご相談下さい!
さいごに
私自身、20代の頃、親知らずが歯茎に埋没した状態で横向きに生えていたため、メスで歯茎を切開して歯を砕いて取り出してもらいました。
麻酔が切れた後は痛みが強く、抜歯後2~3日は少量の柔らかい食べ物しか食べられず、辛かった記憶があります。
年末に長女も私と同様の状態になり、年明けに親知らずを抜いてもらうことになりました。
何に対しても動じることのない性格の長女が、親知らずを抜くことが決まってから、心なしかシュ~ンとしているので、「無事、抜歯を終えて痛みがなくなったらスイーツ食べ放題に行こうね♪」と声をかけておきました。
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